悪意はなくても
杉浦 紗弥
静岡市立蒲原中学校
「松明たいてきて。」
お盆中に家族から言われたこの言葉。私の家のお盆では毎年十三、十四、十五日の三日間にお墓と家の前で松明を燃やします。十三日は先祖を迎えるための迎え火、十四日は無縁 霊や諸霊を招くための中火、十五日の最終日にはお見送りをするための送り火をします。そこで毎年当たり前のように燃やしているこの松明は、森林伐採の影響にならないのか、また燃やしたら二酸化炭素は排出されないのかと考えるようになりました。
まずは松明に使用されている木材について調べてみました。松の木の樹脂の多い部分を使っていることが分かりました。さらに、間伐材といって間伐の過程で出てきた余分な木材を使用していることが分かりました。また、間伐を行わずに過密なまま放置すると樹木はお互いの成長を阻害し、形質不良になってしまいます。残った樹木が成長することにより、木材の価値も高くなるので間伐は重要な役割を果たしています。
こうして採られた間伐材の用途は松明の他に建築材や木炭、バイオマス燃料や文房具、ペット用品として色々な道で使われています。調べた結果を見て私は、SDGsの十五番の陸の豊かさも守ろうという目標に似ているなと思いました。このことから松明に使用されている木材は、森林伐採や環境破壊ではないということがわかりました。
では、松明を燃やした際に二酸化炭素は排出されるのかという疑問について調べました。松明は、先端部分にある乾いた布に油を染みこませているそうです。またそれを燃やしたときには、熱で油が分解されてガスになります。木材でできているので燃やしたときには煙が出て、二酸化炭素も排出されます。またガスになっているので環境にはあまりよくありません。このことから松明を燃やすという行為は地球温暖化に影響してしまうということがわかりました。
母から聞いた話では、千葉だとお盆の時期には松明ではなく、お墓から家までの道角にお線香を置いていくという文化があるそうです。ご先祖様が迷わないように角々に差しておくそうです。この方法なら一回の量だと松明より二酸化炭素の量が少ないし、松明に使われていた間伐材も他のものにあてることができるので道角にお線香を置いていくのはいいと思います。
お盆期間に新しい発見がありました。いつもやっていること、当たり前のようにしていることをもう一度考え直すことが大切なのだと感じました。そして、地球温暖化が進まないことを私は願っています。