【優秀賞】一歩踏み出す

中学生の部

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絵:静岡県立清水東高等学校1年 渡邉美結

一歩踏み出す

富士市立吉原第三中学校3年 久保 二千羽

通学時、私は必ずポイ捨てされたゴミを見る。道路、歩道、花壇など、どこを見てもタバコの吸殻やペットボトルが落ちている。それを見る度私は、何となくモヤモヤした気持ちになる。

ある日、いつものように友達と下校しているとカレーのルーが落ちていた。友達と笑いながら、

「なんでカレーのルー捨てるんだろう。」

「さすがに落とさないよね。」

と言いながらその場を通り過ぎた。その時は笑ってただ通り過ぎただけだったけれど、後になって考えれば拾えば良かったなと後悔が残った。

次の日も、また次の日も落ちていた。そのことを母に話すと、

「拾ってくればいいじゃん。」

と言われた。けれど、私は汚いものを素手で触ったり、家まで持って歩くことに抵抗がある。

しかし、たまに母と通学路を通ると

「ゴミ拾って帰ろ。」

と言い、母は私とは違い、タバコの吸殻やペットボトルを手が塞がるまで拾う。それを見て私は、よく触れるなという気持ちもあるけれど、私もゴミを進んで拾えるようになりたいという気持ちが出てくる。けれどまだ一歩が踏み出せていない。

私はゴミを拾える母の気持ちと、ゴミを拾えない私の気持ちの違いが気になり母に聞いてみた。すると、

「いつ通ってもあの道にはたくさんゴミがある。だから、ここを歩く時には拾うようにしてる。パパもそうだよ。多分、私とパパが拾わないといつまでたってもゴミはなくならない。それに親としては子どもが毎日通う道にゴミが溢れているのは耐え難い。」

と言われ、私は母にはゴミを拾わなければいけないという使命感があるんだなと感じた。それに、たまにポイ捨ての話をすると

「一日一個でもいいから、ゴミを拾ってきなさい。」

というのは、私たちのためでもあったんだと気づいた。

たった五分の私の通学路。この短い距離だけでも私がきれいに保ちたいという使命感が湧いてきた。

夏休みが明けたら、ゴミ拾いができる人になるために、私は一歩踏み出す。

この小さな親切が地域の方や、後輩に届いて欲しい。