虫取りで学んだ事
堀 明日馬
静岡市立清水第六中学校
絵:静岡理工科大学 静岡デザイン専門学校1年 伊藤勇翔
僕はとても虫が好きです。なので、小さい頃から親と一緒に虫取りに行きました。その中で僕は、自然の楽しさ、広さ、怖さ、悲しさを体験することができました。
僕の虫取りは、身の周りのバッタやダンゴムシ、セミを取ることから始まりました。僕の家の周りには、小さいながらも草原や、近くの団地には数本の桜の木があり、この頃の僕には十分過ぎる程の遊び場でした。虫を探していると、すごく大きいバッタや、他のとは違う色のセミ、大きくてキレイな蝶など、 毎日新しい発見をして、新しい発見をする喜びや楽しさがわかるようになってきました。 小学三年生くらいになると、山にキャンプに行くようになりました。僕は、そこでも虫を探しました。するとそこには、見た事無い形、 見た事無い模様、見た事無い色、聞いた事無い鳴き声、の虫がいて、僕の全く知らない世 界が広がっていて、自分がまだほんの少しの自然しか知らなくて、自然はもっと広い世界なのだということを知りました。小学五年生くらいの頃、お父さんとカブトムシのトラップを山奥に仕掛けて、夜中にトラップに来たカブトムシを捕まえようとした事があります。 夜中、トラップを見に行ったらいない所もあったけれど、ちょくちょく捕まえることもできました。トラップを周って行く内に何かに噛みちぎられたトラップがありました。そこで僕は、この森には獣が居る事を確信し、とても怖くなりました。その後、ラストのトラップを見に行ったらとてもたくさんのカブトムシを見つけました。僕とお父さんはここが真夜中の暗い森だということも忘れるくらい喜びました。ウキウキでカブトムシを集めていたら、三メートル横を、イノシシくらいの大きさの獣がとてつもないスピードで走っていきました。その瞬間ここが獣のナワバリだということを思い出しました。自然は楽しいだけでは無く、牙をむく一面もあるのだとわかりました。今年、キャンプに行くと、見た事が無いけれど、かっこいい虫を見つけました。家に帰ってから調べると、「ゴホンダイコクコガネ」というフンコロガシの仲間でした。 この虫は、福岡県等の一部の県では絶滅危惧種とされていることもわかりました。僕はこの事を知った時、珍しい虫を見つけた嬉しさと共に、この虫と二度と会え無くなるかもしれないと思い悲しくなりました。
「自然」というのは、僕に、小さい頃から楽しさや、嬉しさ、美しさ、この世界の広さ、 時には怖さも教えてくれていた教科書です。 その自然が今、徐々に失われていることに気が付きました。僕は、どうしたらこの「偉大な自然」を守って行けるのかを考えながら生きていきたいです。